そういう時はいつも、ソファーに座る私の元へ来て、恥ずかしいのか、目を合わさないようにノソノソと膝に登る。
「あ、ちょっとまた例の行為しますんで…気にしないでください。」みたいな微妙な照れさえ見せる。
私もそこは武士の情け、目はテレビを見たまま、気付かないフリをしてやる。
ライアンは心行くまで“それ”を満喫すると、最後まで私の方を見ることなく、スッと下りて去って行く。
まだ部屋には若干の気まずさが残りはするが、まぁ何分かすれば元のサヤだ。
で、昨日。
いつものようにライアンが私の膝に乗り、シコシコと励んでいると、突然外で大きな物音がした。
驚いたライアンは飛び上がらんばかりに私の膝から逃げ出した。
そして私はライアンが去った後の自分のズボンの膝を見て、目を疑う。
え?
ウソ?
何これ?
まさか…ウ○コ?
ライアンは驚きのあまりちびったのだ。
それもウ○コを!
仮にも交尾もどきの行為をしていたオトコが、その最中にウ○コって…
情けないやら可笑しいやらで、しばらくはズボンを脱ぐ事もせず、ウ○コを見つめ続ける私。
この時ほど、「ライアンが去勢された家猫で良かった!」と思った事はない。
ライアンが野生の猫だったとして、メス猫ちゃんとそういう行為に及んだとして、その最中にウ○コってアンタ!
最悪だ。
その日からあだ名は「ウ○コたれぞう」になるに決まってる。
すれ違う度に「よっ!たれぞう!」とか言われるんだ。
メス猫達には陰でヒソヒソ言われ…
あーーー最悪だぁ!
ライアン!
アンタ、家猫で本当に良かったよ。
絶対に外へなんか行っちゃダメだよ。
誰にも「たれぞう」なんて呼ばせないからね。
母ちゃんが守ってあげるからね!
と、ウ○コのついたズボンをゴシゴシ洗う私とライアンの仲は、秘密の共有によって、また一段と深いものになっていくのであった。

面目にゃい…