クラスの女子には全く興味なさげに振舞っているが、頭の中は「女」の事でいっぱい。
「ウゼーよ、女子」とか偉そうに公言してるくせに、フォークダンスでいよいよ次が好きな子だとなると、もうドッキドキの汗ビッチョリ、なのにそこで曲が終わると、「あーやっと終わった。良かった~。次のヤツ最悪やし!」とかわざわざ声に出して言ったりする。
そういう思春期の男子に見られる現象を誰が呼んだか「中2病」と言うらしい。
最近この「中2病」に思い当たる事がある。
いわずと知れた、ライアン、である。
野良の経験もなく、目も開いてないころから人間に保護され、私が引き取ってからは蝶よ花よと文字通り猫っ可愛がりをして育ててきたのに、なぜかベタベタと甘えることも無く、いつもシレッと醒めている。
私の庇護なしに、1日たりとも生きていけない存在なのに、呼んでもチラとも見ず、撫でれば噛み付く、この「オレは一人で生きてきた」的なハスに構えた態度は、どう見ても「中2病」だ。
この病い、主に「好きな女子がらみ」の時が一番タチが悪くなる。
大好きな女子の前であればあるほど、「別に…」みたいな態度で、話しかけられても無視したりする。
もっと病状が進むと、わざとその子が嫌がる事をしたり、「ブース」だとか心にも無い事を言って、決定的にその子に嫌われてしまう。
そう、「中2病」のライアンは大好きな私にわざと醒めた態度をとっているのだ。
「中2病」はやがて治まる日がやってくる。
男の子達は、殆んどの場合、おおっぴらに「女大好き!」な性格に変化していく。
ライアンが「お母ちゃん!大好き~!」と人目もはばからず、私と枕を並べて寝てくれるのもそう遠い日ではないのではと、そう考えるだけでワクワクする私を「猫バカ病」と言うなかれ…。

フッ、オレに触るとケガするぜ!