生年月日が全く同じ友人がいる。
同じ星の下に生まれた私達は、星占いの「水瓶座は金運上昇中」などの言葉に、互いに喜びあったりしてとても仲良くしている。
しかし、同じ星の下に生まれた私達が、同じ運命、同じ境遇であるかと言えばそうでもない。
彼女はいつも夢見る夢子で、ヒラヒラプリプリ可愛らしい。
私はと言えば、ヒラヒラには縁がなく、夢を見るなどアホらしい、現実を見据えてなんぼの人生である。
彼女はご主人が先に死んだら絶対彼氏を作ると言う。
寂しい老後はいやだからと言う。
私はそこも全く違う。
私は夫が死んだら、家を猫屋敷に改造し、猫に囲まれて老後を過ごす。
彼氏などいなくても、猫さえいれば寂しくはない。
しかし何より、彼女と私が決定的に違うのは、彼女は金持ち、私はビンボー、という点だ。
彼女の夫は誰もが憧れる花形職業で、年収も相当なモンだと予測される。
従って、持ち物も高級ブランドが多く、毎年家族で海外旅行に出掛けるし、そして豪邸に住んでいる。
比して私はと言えば、ユニクロのGパンをこよなく愛し、かれこれ何十年も海外へなぞ行った事もなく、たまに新聞の集金のおばちゃんに居留守を使ったりしながら、発電に一喜一憂する日々である。
おかしい。
同じ星の下に生まれてるにも関わらず、この違いは一体何なんだ?
水瓶座のあなたは全からく等しく、金運上昇中ではないのか?
不条理だ。
全くもって不条理極まりない。
いや、わかってる。
これはひとえに環境の差だ。
私だって、金持ちのオトコと結婚して豪邸に住んでたら、もっと愛されキャラで、ヒラヒラプリプリしてたはずだ。
金運だって常に上昇中だったはずなんだ。
そうだ、全部環境のせいなんだ。
私のせいじゃない。
先日、野良猫用に常備している安い餌の大袋をビリビリに破ってムシャムシャと食べているライアンを発見した。
幼少期から蝶よ花よと可愛がり、箸より重い物は持たさないと言う環境で育ててきたというのになぜだ?
ノラの星の下に生まれてる事が環境を超えたと言うのか?
やはり全ては環境のせいではなく、持って生まれた「血」の為せる技だと言うのか?
己の身の上を環境のせいにして、現実から逃げていた私はどうすればいい?
と、次の瞬間、ライアンは「うわっ!何これ?猫のエサやん!キモっ!」と、世にも可愛いおぼっちゃま顔で、安いエサを全てゲロゲロと吐き出した。
げに環境とは恐ろしきかな。
やっぱり私のせいじゃない。

その彼女と2人で誕生パーティをしました。
昼間のカラオケ、ケーキはお店からのプレゼントです

飼い主が寝てばかりと言う環境が、寝てばかりの飼い猫を育てる…ムニャムニャ