返信ハガキを手にしばし考える。
よく同窓会で、昔好きだった人がすっかり変わり果てていてショックを受けるなんて話を聞く。
幸い私は当時好きな男子もいなかったのでその心配はないが、もし、逆に私の事を好きだった子がいて、再会を楽しみにしてたりしたらどうする?
何を隠そう昔の私は痩せていた。
昔、私に恋い焦がれていた子が、そのままのイメージで来たらえらい事だ。
その子は、まさかあの可愛かった私が、走ると胸は揺れないのに背中の肉が揺れると言う怪奇現象に悩まされているとは思いもしてないだろう。
私に憧れ続けていたその子がショックを受け、家に帰って酒を煽りながら奥さんに愚痴をこぼすかと思うと、もう私のガラスのハートは粉々になってしまう。
ダイエットに励むには時間が足りない。
当日を迎え、きつ目のガードルを装着し、なるべく目立たないように会場に足を運んだ。
私に憧れ続けているその子のために、私は少しでもお腹を引っ込めにこやかに振舞う。
しかし、久しぶりに会う面々は誰も皆懐かしく、顔を見れば一瞬でタイムスリップ、すぐに「~ちゃん」と呼び合い、笑い合い、とても楽しい時間を過ごす事ができた。
どうやら心配しなくても昔私を好きだった子はいなかったようで、特に誰も私の変わり果てた容姿になど興味を示さなかったのが嬉しいんだか悲しいんだか…
何はともあれ、昔の友達ってのは、いいもんでんす。

パパ!ドウソウカイッテナニ?
それはね、ゴリちゃん、おばさんの見栄の張り合いの場だったりするんだよ。
byライこく堂