と言うか、お年寄りと変な人と私しか乗っていない、と言ってもいい。
何が変かって、例えば、ずっと宮本武蔵について語ってるおじさんがいたりする。
1度彼の近くに立つチャンスがあり、耳をそば立てて聞いていたのだが、そりゃあもう宮本武蔵の生い立ちからを余すところなく詳しく語っていてなかなか面白かった。
そうかと思えば、この前は、乗ってくるなり「タクシー拾えるかな?」とずっと心配している人がいた。
私はその人より先に降りたので、彼が無事タクシーに乗れたのか今も気になっている。
そんな車内を、私はとても快適に過ごしていたのだが、昨日美容室に行ったら、美容師が「うちの妻がバスで仕事に通ってるんですが、変な人が乗ってて怖がってるんですよね。この前なんか宮本武蔵について延々語ってる人が隣に座ったらしくて…」と言うのを聞いてなるほどと思った。
「変な人」は一般的には「怖い」のだ。
その夜。
仕事から帰宅した夫が、「今日用事でバスに乗ってんけど、めっちゃおもろい人乗ってたわ。ずーっと宮本武蔵の話してはんねん。なかなか勉強になったで。」と言った。
人はいつから変な人が怖くなくなるのだろう。
今日も元気に周りをはばかることなく語る宮本武蔵氏に「世間に負けるな」とそっとエールを送る私であった。

うちの飼い主も相当変だ。
いや、あんたも変ですよ!
オシャレベレー帽みたいにかぶってますけどチーズの箱ですから!