その人の手の甲が視界に入り、シワシワ感漂うその手に「あ、お年寄りだ」と直感し、私は「お座りになりますか?」と言いながら立ち上がった。
そしてその人の顔を直視し、しばし固まる。
その人は、確かに年寄りではあったが、まぁ何というか、それほどでもないと言うか、要するに、私とさほど変わらない感じなのだ。
「いえ結構です」その人は頑なに座らない。
そりゃあそうだろう。
自分と同年齢のオバハンに席を譲ってもらうなんて、屈辱以外の何者でもない。
自分ではずっと譲ってあげる立場だと思ってたのに、いつの間にか譲って貰う側になってたんだ。
くしくもその日待ち合わせをしていた猫友Mさんが、「電車で見たんだけど、オバハン軍団がわずかのスペースにねじ込んで周辺全員を立たせて軍団の勝利をおさめてた。私とあなたがいたら絶対立たずに睨んでやったわよね!」と言っていたのだが、いやいやMさん、それは違う。
あなたも私も、どっちかっちゅーとねじ込む側、そして譲ってもらう側…
きっと若者から席を譲られる日も遠くない。
それが嫌なら、ファンデーションを厚く塗りたくり、シワをかくして背筋を伸ばし、騙し騙し乗るか、はたまた座席のわずかな隙間にねじ込んで、最初から座っておくか、その二択しかない。
私達オバハンは、かくも大変な葛藤と戦いながら日々をたくましく生きているのである。

どう撮っても年齢が誤魔化せない指先。
イベントで1本だけネイル初挑戦。
こんな事で意外とテンション上がって気持ちが若返るオバハンを温かく見守って頂きたい!


ウワサのフクロウとネコのカフェに連れてって貰いました。
感激!
Mさん、ありがとー