例えば、東京駅で日比谷線に乗ろうと表示通りに歩き出す。
「日比谷線→」をたどって進み、階段を下りると、何と表示が「←日比谷線 日比谷線→」ってなってるではないか!
どっちなんだよ?
右か左かはっきりしてよ!
クイズなのか?これは田舎者を試すクイズなのか?
よし、やってやろうじゃないの。
左だ。
そしてドキドキしながら左に進むと、何と、途中からどこにも「日比谷線」の文字がない。
「ハズレ」だ…
がっくりと肩を落とし、右へ戻る。
するとちゃんとあるんだな、日比谷線の改札。
そう、こっちが「当り」。
また、秋葉原でアニメセンターへ行こうとUDXビルを探してると、道に「UDX直進して左」と書いてある。
あーさすがに駅中と違って分かり易いわと思ったのも束の間、直進する私たちの右側に、UDXビルが現れたではないか!
え~~
左って書いてあったやん!
どーゆー事??
何?もしかして、田舎者だけに「左」って見えるペンキで書いてあるとか?
都会の皆さんには最初から「右」って見えるのか?
何て恐ろしい…
都会と言う名の悪魔が私達を飲み込もうとしている…
負けちゃなんねぇ!
銀座H&Mへ行こうと、銀座に降り立ったは良いが、どっちへ進むのかさっぱりわからない。
ふと見ると、交番が!
地獄に仏…
市民の味方、おまわりさん!H&Mへはどう行くの?
すると楚々とした綺麗な婦警さん、おもむろに電柱に貼ってある地図で説明しだす。
いや、出来れば、目の前に実際道があるワケだし、この道をこっちに行って…とか言って欲しい。
そこで私は気付く。
「バレテル。田舎者だって事が、H&Mを聞く時点でバレテルんだ!市民(都民)じゃないってバレテルゥゥゥ~」
それでもしつこく、クリスピークリームドーナッツのお店も聞いてみる。
婦警さんがチラッと嘲笑を浮かべた気がしたが、グッと我慢。
今度も頑なに、地図で説明する婦警さん。
最後に「角のシャネルで曲がって下さい」と微笑んだその目が、「あ、あんた達にシャネルってわからないわよね、オホホ」と語ってた。
トボトボと歩き出す母娘。
あれ?前が霞んで見えない…
泣いちゃなんねぇ!
堪えるんだ!
何とか全ての計画をクリアし、やっと帰路に着く頃には、精も根も尽き果ててグッタリ。
帰りの新幹線は嘘みたいに早く、あっという間に私たちをコンクリートジャングルから引き離してくれた。
やっぱ新幹線、凄いわ。
日本の技術バンザイ。
京都駅に到着し、私は自信満々で娘に言った。
「地下鉄まで表示通りに歩いてみよう。ここは私たちを裏切らないから。」
「地下鉄→」「地下鉄↓」「地下鉄切符売り場」「地下鉄改札口」
ほらね。
サルでもわかる親切表示でしょ。
私達は都会には住めない。
さぁ、胸を張ってお家へ帰ろう!
田んぼに囲まれた、懐かしい我が家へ!
田舎風味の猫が待つ、麗しの我が家へ!
つづく…

へ?
オレはシティー派よ

スポンサーサイト