先生は「一度出た抗体が、消える事はありませんよ」と仰ったが、それでもお願いした。
ライアンがうちに来てすぐ、『ねこのきもち』を購読し始めていた。
ちょうどタイムリーに猫エイズの特集があり、それによると、猫エイズは猫同士の喧嘩でうつる事はあっても、出産時の母子感染はないと書かれている。
ライアンは生後すぐ、人間の手に引き取られてるので、他の猫との接触はないはずだ。
母子感染がないのなら、エイズのはずがないのだ。
私はその記事に希望を見出し、思い切って再検査をお願いしようと思ったのだ。
そして案の定、結果は陰性だった。
先生は「おかしいなぁ」と首をかしげる。
「先生、最初に検査した生後2ヶ月ぐらいでは、母親の抗体が出てしまう場合があり、6ヶ月の今回は、母親の免疫はもうないので、今回のこれが、正しい結果だと言う事ですよ!」などと、素人の私に言えるはずもなく、まぁ良かった良かったと、お茶を濁したのであるが、そもそも、この検査を、生後2ヶ月でする必要はなかったのではないか?
エイズ宣告を受けてからの数ヶ月、どんなに辛かったと思っているのだ!
おまけに先生は、去勢手術のストレスで、発症するかもしれないので、そのつもりで…とまで言ったのだ。
『ねこきも』を読んでなかったら、鵜呑みにして、手術もせず、泣き暮らしていたかも知れない。
結果オーライだから、喜ばしいんだけど、どうにも納得のいかない私であった。
さて、そんな事はどうでもいい当のライアンは、カラーがあちこちに引っかかって、水もうまく飲めないし、トイレもショベルカーの如く砂をすくってしまうし、非常に迷惑そうだったので、2日目から外してやった。
先生の言いつけを破ってやる!といったささやかな反抗心もあったかも知れない。
傷口を舐めないように、良く観察していたが、あるべき所に、あるべき物がないのは、とても痛々しいものだった。

お父ちゃんに買って貰った初代キャットタワー

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