そのペットショップは犬猫の販売もしていて、私達夫婦は猫のゲージを一通り見て歩く。
「うわっ!14万円やて!」
「こっちは23万円や!」
と、値段に驚愕しながら見ていると、中にちょっと大きな猫がいる。
プライスカードには「値下げ」の文字。
何だかとっても切なくなる。
とは言え、値下げしても35000円である。
夫が言う。
「ここにライアンおったらいくらぐらいやろうな?」
ライアンがあの真っ黒けのモサモサした背中でジッとゲージの中にうずくまってる姿が目に浮かぶ。
「…10円ぐらいかな…」
「せやな…10円やな…」
私達夫婦は珍しく意見を一致させ、店にあった鳥削りを全部買い占めて世界一可愛い10円猫に一刻も早く会いたくなり車を飛ばしたのであった。

誠に遺憾だな…
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