そうして彼は彼なりに、人並みとは言えないかも知れないが、平和で穏やかな日々を過ごしていたのだ。
そう、あの日までは…。
それは突然の事だった。
いつものように出勤すると新しいバイトが2人居た。
見るからにイマドキのそのバイト達は戸惑う彼にとてもフレンドリーに「チース!」と言った。
明らかに頭は悪そうで、口の聞き方も知らないバイト達だが、仕事に馴染むのは彼よりうんと上手かった。
彼は居場所を失った。
ある日の休憩時間、彼が最近思い切って買い換えたスマホをいじっていると、バイト達が近づいて来た。
「先輩、スマホッスか?使い方とか何でも聞いて下さいよ。LINEやってますか?バイトでグループ作るんで入って下さいよ」と言い、無邪気にニッと笑った。
それから彼はバイト達とLINEのグループでよく話すようになった。
それは彼の人生にはなかった新鮮な出来事だった。
あぁ、俺も若い子達とこんな風に仲良くやっていけるんだ。
このまま仲間と接する事なく老後を迎えると思っていたのに…。
バイト達からLINEが届く。
「先輩、今度カラオケ一緒にどうっスか?」
また一つ、知らなかった世界の扉が開く。
悪くない。
全く悪くない人生だ。
彼はすぐに「OK」のスタンプを送信した。

あのですね、勝手に人をコミュ障オヤジに例えて創作するのやめて貰えませんか?
扉開く気ありませんから!

チース!新人アルバイトでぇ~す!
せんぱーい!カモ~ン!
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